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生命保険と税金
満期保険金・解約返戻金の税金
生命保険が満期になったときの満期保険金や解約したときの解約返戻金には、一定の税金が課されます。
死亡保険金の税金を受け取るときと同様に、保険契約者、被保険者、保険金受取人の3者の関係で、課税方法が変わり、下記のようになります。
| 保険契約者 | 被保険者 | 保険金受取人 | 税の種類 |
| 夫 | 夫 | 夫 | 一時所得(所得税) (保険金額-支払い保険料-50万円)×1/2×税率 ただし、一時払いで5年満期以上の養老保険の5年以内の解約については、20%の源泉分離課税 |
| 夫 | 妻 | 夫 | |
| 夫 | 夫 | 妻 | 贈与税 (受取金額-110万円)×税率 |
| 夫 | 妻 | 妻 |
- 保険契約者…保険会社と保険契約をした人で、契約者は保険料の支払い義務や保険内容を変更する権利を持ちます。
- 被保険者…保険の対象になる人で、被保険者が死亡、病気、ケガをしたときに保険金が支払われます。
- 保険金受取人…保険金を実際に受け取る人です。
生命保険と税金控除
生命保険料控除
生命保険料控除とは、年末調整や確定申告の時にその年の保険料を払い込んだ金額に応じて、保険料負担者の所得から税金が控除される制度です。
控除される額は、その年の1月1日~12月31日までに払った保険料が対象で、その年に契約者配当があった場合は、受け取った配当金を差し引いた金額が対象になります。
この控除には、一般の生命保険料控除と個人年金保険料控除の2つがあり、それぞれ控除額が決められています。
生命保険と個人年金ともに、所得控除の対象となる条件が、下記のように定められていて、この条件を全て満たしている保険でなければ控除の対象とはなりません。
一般の生命保険料控除
保険受取人
- 本人か配偶者
- 6親等以内の親族
- 3親等以内の姻族
対象となる契約
個人年金保険料控除
年金受取人
- 保険契約者
- 保険契約者の配偶者
保険料支払い期間
- 支払い期間が10年以上の契約で、一時払いの契約は対象外。
年金の支給方法
- 年金受取人が満60才以上になったときから、年金の支払いが開始される契約
- 年金の支給期間が10年以上の終身年金、確定年金もしくは有期年金
介護保険
介護保険
介護保険は、被保険者が認知症や寝たきり状態で要介護状態になった場合に、保険金が支払われる保険です。
介護サービスを提供する公的介護保険と違って、民間保険会社の介護保険は、保険会社が定めた要介護状態になったときに保険金が支払われるのが特長です。
介護保険は生保でも損保でも取り扱っていますが、保障の内容や契約の種類などが多少異なります。
損害保険会社の介護保険の特長のひとつは、保険期間が終身になっている点です。
介護保険の保険金を受け取る条件は、認知症や寝たきりなどの所定の要介護状態と認められて、一定の日数がその状態で経過すれば、要介護状態の認定を受けた日にまでさかのぼって介護年金や介護一時金を受け取れるようになっています。また、保険料払込期間中に要介護状態になると、以後の保険料払込は不要です。
生命保険会社の介護保険は下記の2種類にわけることができます。
ガン保険
ガン保険
がん保険は、その名のとおりガンになったときの保険です。がんの定義は商品により異なりますので、加入時は商品の内容をしっかりと確認することが大切です。
がんと診断された場合、支払い回数が1回のものと複数回可能なものがあります。
がん保険は、がんと診断されたときに保険金が支払われる保険です。保障の対象はがんのみですが、がん患者をサポートするために入院保障だけでなく、ガンと診断されたときに一時金が支払われるがん診断一時金などもあります。
保障の対象になるがんの定義は、保険会社や商品により異なります。上皮内がん(臓器の表面にできたがん)などが保障の対象にされていないものや、対象であっても診断一時金が低く設定されているものなどがあります。
がん保険には大きく分けて、契約当初の保険料がそのまま続き、一生涯保障のある終身型と、満期になっても健康に関係なく所定の年齢に達するまでは更新ができて、一定期間の保障がある定期型があります。
定期型では更新のたびに更新時の年齢と保険料率で保険料が再計算され、ほとんどの場合保険料が上がるので注意が必要です。
ガン保険の補償内容の特徴をまとめると下記のようになります。
- がんによる入院時には、支払い制限なしで1日目から保険金の支払いがされます。
- 告知義務違反とは別に、契約日から90日間は保障の対象外であり、この期間にがんになった場合は契約が無効となります。
- がん診断一時金は、支払い回数が一回のみのものと、一時金の支払いから2年か3年経てば、何度でも受け取れる複数回払いの2つがあります。
再発や転移が起きやすいがんでは、退院後も通院や検査でお金がかかる傾向があります。医療保険にプラスして、がん保険に加入しておくと、安心できると思います。
医療保険
医療保険
医療保険は、病気やケガによる入院保障を重視している保険です。所定の日数以上入院すると保険金が支払われます。
医療保険には大きく分けて2つあります。1つは保険期間が終身で、生きている限り医療保障に備えられる終身医療保険です。
終身医療保険は原則として契約したときのままの保険料で、保険料が上がることはありません。
もう1つは、保険期間が一定となっている定期医療保険です。保険期間満了後も、告知もしくは審査が通れば、契約を更新できます。
終身医療保険よりも当初の保険料は安いですが、更新のたびに保険料が上がって高くなります。
また、保険会社によって多少異なりますが、終身医療保険と定期医療保険どちらにも下記の保障内容の種類があります。
- 日帰り入院型
日帰り手術による入院からでも入院日数分の入院保険金を受け取れることができます。 - 1泊2日型
1泊2日以上の入院の場合、1日目からでも入院保険金を受け取ることができます。 - 5日型
病気やケガでの入院が5日以上だと、5日目から入院保険金が受け取ることができます。 - 8日型
病気は8日以上、ケガは5日以上の入院で、1日目から入院保険金が受け取ることができます。
また、入院保険金の支払いには、ある一定の支払い限度日数が決まっていて、一般的には30日から120日が多いです。この日数を超えて入院をした分は保険金支払いの対象にならないので、加入する前に保険会社によく確認しましょう。
三大疾病保険
三大疾病保険
三大疾病保障保険は、死亡・高度傷害保険に加えてがん、急性心筋梗塞、脳卒中で所定の状態になると死亡保険と同額の保険金が支払われる保険です。
保障が一生続く終身型と一定期間を保障する定期型の2種類があります。
三大疾病保障保険は、死亡や高度障害保障に加え、ガン・急性心筋梗塞・脳卒中で所定の状態になった場合、死亡保険金と同額の三大疾病保険金が支払われる保険です。特定疾病保障保険・重大疾病保障保険・生前給付保険も同様の内容です。
保険金を受け取るとこの契約は終了しますが、保険期間中に保険金を受け取ることなく死亡または高度障害状態に陥った場合は、死亡・高度障害保険金が支払われます。また、三大疾病にかかった人全てに保険金が支払われるわけではありませんの注意しましょう。
保険金を受け取るには、所定の状態を満たす必要があります。
例えば、ガンの場合、ガンの所定の状態とは、医師により悪性新生物であると診断された場合のことです。
初期ガンといわれている上皮内ガンや皮膚ガン(悪性黒色腫を除く)、及び責任開始日から通算して90日の間に診断されたガンについては、給付の対象外になることが多いです。
他にも、急性心筋梗塞の場合は、発病し、初めて医師に診断を受けた日から、60日以上の労働の制限を必要とする状態が継続したと医師が診断した場合にのみ支払われます。
脳卒中の場合は、脳卒中を発病し、初めて医師の診断を受けた日から60日以上の間、言語障害・運動失調・麻痺等の他覚的な神経学的後遺症が継続したと医師が診断しなければ、保険金の支払いが受けられません。
この保険には、保障が一生続く三大疾病保障終身保険と、一定期間を保障する三大疾病保障定期保険の2種類があります。
三大疾病保障終身保険は、保障が一生続き、契約したときの保険料が変わることがありません。
三大疾病保障定期保険は、一定期間の保障で、当初の保険料は安いですが、契約を更新するたびに保険料が上がって高くなります。
三大疾病保障保険は、生前給付がある分、定期保険や終身保険に比べ、保険料はやや高めになっています。
学資保険(子ども保険)
学資保険・子供保険
こども保険とは、教育資金の貯蓄と子供や親の保障を兼ね備えている保険のことをいいます。
一般的に両親のどちらかを契約者兼被保険者に、子供を被保険者にして加入するようになっています。実態としては、子どもを被保険者とする生存保険と、親を被保険者とする死亡保険を組み合わせた複雑な保険商品となっています。このこども保険のように被保険者が二人以上いる保険を連生保険と呼びます。
こども保険は、ほかの保険と異なり契約者である親の死亡も関係するため、親と子供の両方の告知が必要となります。
子供保険の保障内容は商品や保険会社によって異なりますが、多くの子供保険に共通した特長は下記の通りです。
- 子どもの年齢や小中学校・高校の入学時期に応じて祝い金(学資金)が支払われます。
- 保険期間中に契約者である親が死亡したケースでは以後の保険料が免除されます。
- 保険期間中に子供が死亡したケースでは死亡保険金が支払われます。
ほかにも、子どもが入院したり手術したりしたときに給付金が出たり、親が死亡した場合には育英年金が支払われる商品もあります。
なお、こども保険は教育資金作りを目的にするために学資保険などの名称で販売されることもあります。しかし、学資保険という名前でも貯蓄性が充分でない商品もあるので注意が必要です。
保障に重点を置いたため、払込保険よりも受取金総額が少ない元本割れしたこども保険や学資保険もあるので、契約する前によく検討しましょう。
貯蓄性が高いこども保険には、下記のような特徴があります。
個人年金保険
個人年金保険
個人年金保険とは、老後の資金作りを目的とした生命保険です。一定期間払い込んだ保険料を原資として、契約するときに指定した年齢から毎年、年金を受け取ることができます。
商品設計が老後の資金作りに重点をおいているので、年金開始前に死亡したときには、それまでに払い込んだ保険料相当額程度の死亡保険金しか受け取れません。
年金開始後に死亡した場合は、契約の種類によって遺族への保障が変化します。
個人年金保険の種類には大きく分けて下記のよう6種類があります。
- 有期年金
契約の際に保険期間を決めて、その保険期間に生存していれば年金が支払われます。保険期間であっても途中で死亡してしまうと年金の支払は終了します。 - 保障期間付有期年金
契約時に受け取り保障期間を決め、保障期間中は生死に関係なく年金が支払われます。保障期間後は、生きている場合のみ契約の時に決めた一定期間だけ年金が受け取れます。 - 確定年金
年金を受け取る期間をあらかじめ決めて、その期間内では生死にかかわらず年金が支払われます。一般的に受け取り期間は5年から10年の間で決めることが多いです。 - 終身年金
被保険者が生きている限り、ずっと年金が支払われます。被保険者が死亡した時点で年金の受け取りは終了します。 - 保障期間付終身年金
契約時に決めた保障期間中では、被保険者の生死に関係なく年金が受け取れます。保障期間後は被保険者が生きている場合に限り、年金が支給されます。 - 保障期間付夫婦年金
夫婦のどちらかが生きている場合に限って、ずっと年金が支払われます。契約時に受け取り保障期間を決め、その期間は被保険者の生死に関係なく年金が支払われます。
変額保険
変額保険
変額保険は、複数のファンドで構成し、通常の保険料の運用方法とは異なる特別勘定で運用され、運用実績により解約返戻金が増減する生命保険です。
終身保険タイプの終身型と養老保険タイプの有期型の2種類があります。
特別勘定は、複数のファンドからできていて、どのファンドで運用するかを契約者が自由に選べます。
特別勘定の種類は、保険会社によって異なりますが、日本の株式に投資したり、外国債券に投資したりするものなどがあります。2つ以上のファンドに資金を振り分けて運用することなどもできます。
つまり、契約者に特別勘定を選択する権利を与えることで、保険金や解約返戻金に運用成果を反映させるのが変額保険というわけです。
死亡・高度障害保険金には最低保証金額が設定してありますが、満期保険金や解約返戻金には何の保証もなく、原則として運用リスクは契約者が負担することになります。
終身保険タイプの終身型でも、養老保険タイプの有期型でも、どちらもタイプも被保険者が死亡したときには死亡保険金として「基本保険金+変動保険金」を受け取ることができます。
基本保険金額は、運用実績に関わらず最低保証されていて、運用がうまくいかず、変動保険金がマイナスになった場合でも基本保険金額は受け取ることができるようになっています。
有期型の場合は、満期を迎えると満期保険金が支払われますが、支払われる満期保険金の金額はファンドの運用実績によって変わります。
満期保険金は、一部の商品を除いて最低保障がないので、基本保険金額を上回ることもあれば、下回るケースもありえます。
解約した時の解約返戻金にも最低保証はありません。
養老保険
養老保険
養老保険は、死亡すると死亡保険金が、満期になると満期保険金が支払われる保険です。生死混合保険とも呼ばれ、保険期間に死亡しても、満期まで生存していても契約した保険金が支払われます。
この養老保険のように、生死に関わらず保険金が支払われる保険のことを、生死混同保険と言います。
ただし、死亡保障を養老保険だけで準備しようとすると保険料がかなり高額になります。
養老保険とは、保険満期まで生存していた時には満期保険金が支払われ、保険期間に高度障害状態に陥った時には高度障害保険金が、保険期間に死亡した場合には死亡保険金が、満期保険金と同額支払われる保険です。
つまり、どのような状態に陥っても必ず保険金が支払われます。そのため、同じ保険金額の他の種類の保険より保険料がかなり高く設定されています。
養老保険は明治20年代から昭和30年代までの中、日本の生命保険の主力商品として人々に親しまれてきた保険で、「生命保険=養老保険」という図式が人々の中で定着していたようです。少し前に「定期付終身保険」という保険が誕生したために、主力商品の座を定期付終身保険に奪われてしまいました。
満期時に支払われる保険金のことを考えて、毎月貯蓄に回していく感覚で加入する分に利用価値はあるかと思います。しかし、一家の大黒柱の万が一の場合に備えるべき死亡保障を養老保険だけでまかなおうと考えると、毎月の払込保険料がとんでもない額になる可能性があります。
また、養老保険は更新できるものもありますが、中には更新できない養老保険も存在します。
仮に更新できたとしても、更新時の被保険者の年齢と保険料率で保険料を再計算するため値上がりし、経済的な余裕がある方でなければ、更新して継続していくことはおそらく困難です。
養老保険への加入をお考えの場合は、養老保険を軸に特約などをつけるのではなく、単体の契約をしたほうが保険の使い勝手がいいと思います。

